うつ病の薬物療法を行うときには、病状と薬の量が必ずしも相関しないという点に注意する必要があります。
つまり、抑うつ症状が軽いからといって、抗うつ薬が少なくてすむというわけではありません。
むしろ、少ない量を漫然と服用し続けることによって、うつ病が慢性化することもあり得るのです。
日本の精神科医の傾向として、抗うつ薬の処方量が少ないと指摘する専門家もいます。
アメリカでの研究ですが、「軽い」うつ病患者に対するイミプラミン(薬品名トフラニール)を使った試験で、イミプラミンを300mgまで服用した患者の1年後の経過をみたところ、89%に改善が認められたといいます。
イミプラミンの日本での一般的な処方量が50mgから150mgとされていますので、この研究で使われた300rという量は、かなり多いといえます。
つまり、うつ病の薬物治療では、十分な量の抗うつ薬を使う必要があることが、この研究からわかると思います。